十二夜の、十二人 その⑦ 亀山浩史(サー・アンドルー)
演出家の田野です。
今日(1月29日)は、日暮里d-倉庫で現在行なわれている公演、
東京シェイクスピア・カンパニーさんの『フォルスタッフ』にお招きいただきまして、
終演後のアフタートークに出演させていただきました!
作・演出の江戸馨さんとともに、『フォルスタッフ』の公演のこと、
イギリスにおけるシェイクスピアの受容のこと、そして『十二夜』のこと、
20分強ぐらいの時間でしたが、とても楽しくおしゃべりさせていただきました。
江戸さんも、一番好きな作品は『十二夜』、とおっしゃっていて、
うれしいのと同時に、何があっても“普通”のものは作れないぞと、
改めて身が引き締まりました。これはもうとんでもないものを作るしかないわ。
・・・ま、最初からそのつもりではおりましたが。
江戸さんはじめ、ご紹介いただいた小口さん、カンパニーと観客のみなさん、
そして同公演に出演していてわりと久しぶりの再会だった宇井くん、
本当にありがとうございました!楽しい時間でした。
楽しい気分の余韻を引きずって、さてさて今日も、『十二夜の、十二人』です。
本日ご紹介するのは、コチラの方。
サー・アンドルー・エイギュチーク役の、亀山浩史さんです。
・・・いまふと思ったのですが、上の写真の亀山さん、
たまたまウクレレを持ってるからなんでしょうけど、
若干オザケンっぽいですね。・・・そうでもない?
所属する劇団・うさぎストライプではその世界観の中核を担っていて(と言っていいですよね?)、
常に好青年、そして常に壁を押してるイメージのある亀山さん。
あ、うさぎストライプといえば、今超話題のあの映画!
『幕が上がる』で、なんだかフィーチャーされてるらしいですよ!!
僕自身はまだ観れていませんが、なんだかあちこちで絶賛の嵐の同作品。
・・・ということは亀山さん、『幕が上がる』出演俳優、と呼んで間違いないでしょう。
・・・あ、単に『幕が上がる』って書きたかっただけなんですけど、ココは。はい。
亀山さんとは今回がはじめてご一緒させていただきます!
よろしくお願いします!
『十二夜』におけるサー・アンドルー、もちろん作品の喜劇的要素に欠かせない存在ですが、
僕のなかでうっすら持ってるイメージは、“ピエロ”、の感じです。
滑稽で、どちらかというと人に指をさされてさげすまれ、もてあそばれて、
劇中ではどんどんとお金を巻き取られて、不器用ながらに人々に笑いを提供する、
少しだけ哀しみのある存在。
そしてフェステとはまた少し違う意味で、パンチのある言葉を繰り出していきます。
印象に残る言葉もしばしば見受けられるしね。
そんなサー・アンドルーのキャスティングを進める際、こだわっていたのは、
ひとつは背が高いこと、そしてもうひとつはそこはかとない純朴さがあること、この2点でした。
特に後者。純朴さ、というのは、演技とかセリフの上で、ですね。
余計な駆け引きとか出し入れをあまりせずに、素直にストンとセリフを落とせるかどうか。
そしてそして、今回RoMTが目指している“ビタースウィートでオトナの『十二夜』”において、
アンドルーはとてもとても重要なイメージを観客に提示する役目も担っています。
・・・そんなことを考えて悩みながらも、ある日ふと亀山さんの存在が頭に浮かんだんですよ。
ほんと幸運でした。いやーよく思いついたなー。自分で自分を褒めてやりたい。
今回の座組にはうさぎストライプに出演したことがある人が実はとても多いのですが、
彼女ら曰く、亀山さんは「結構いじり甲斐があり、わりと天然」、というのが、
通説なようです。要は、アンドルーとの相性はばっちりでしょ?ってことですね。
実際のところ。
12月のプレ稽古のとき。亀山さんがアンドルーのセリフを読むたびに、
なぜかみんなついつい笑えちゃうって感じでした。
“相方”役となるサー・トービーの永井秀樹さんなんて、
「すごい!亀ちゃん、ピッタリじゃん!!」と興奮気味に話してましたし。
ええ、そうでしょう、そうでしょうとも。
・・・とついつい得意気に思ってしまう今日この頃。
たぶん今回は、うさぎストライプの公演のときとはまた異なる、
チャーミングで少しおバカさんな亀山さんの様子がご覧いただけるでしょう。
メイクもちょっとする予定ですしね。
ぜひお楽しみに!
第7回目は、サー・アンドルー・エイギュチークを演じる亀山浩史さんの巻、でした。